SEOにおいて、構造化とは。

構造化の概念

SEOを行う上で、構造化と呼ばれるものをよく耳にする。ウェブデザイナーから見れば見た目になんら変化のないものではある。対人としては何ら価値の見いだせないもののようにも感じるだろう。

しかしながら、GoogleBotを含む、対検索エンジンとなるとその効力は絶大なものとなる。ここでは昨今のSEOでは必要不可欠ともいえる構造化について解説していくこととする。

こうぞうか。

さて、SEOにおいての構造化とは何か。
その名の通り、物事を構造として捉える様にするものである。

1個のりんご
1個のりんご

ここに1個のりんごがある。
まぎれもなく1個。そして赤い。ちゃんとヘタもついているので見栄えも良い。
恐らく多くの人間がこの画像に「りんご」が表示されていることを認識できるであろう。

しかしながらGoogleBotらの検索エンジンロボットから見えるのは、ただの0と1だけなのだ。膨大な数字の羅列でこの画像を表示してはいるが、何を意味しているものなのかまで判断しづらいのだ。
検索エンジンは非常に高度なデータの収集ができる。前後の文脈や、あるいは画像のキャプションからその画像が何を意味しているのか、ウェブサイトの運営者がどのような意図でその画像を設置したのかまで憶測での判断はできる。

そこで、GoogleBotらの検索エンジンロボットに対して、
※この画像はりんご
と伝える為の物が構造化データである。

2個のりんご
2個のりんご
2個の青りんご
2個の青りんご

上記画像は1枚の画像に複数のオブジェクトが挿入されている。こちらも構造化データとして検索エンジンにより詳しく、確実に認識させることができる。

ウェブサイトの運営者が公開したものについて、意図したものをGoogleにより確実に認識させるための手段が「SEOにおける構造化」である。

セマンティック・ウェブ

構造化データとセマンティック・ウェブという概念は非常に親密な関係にある。
セマンティック・ウェブという概念を戦略とするなら、構造化データは戦術に当たる。

セマンティック・ウェブ(英: semantic web)は W3C のティム・バーナーズ=リーによって提唱された、ウェブページの意味を扱うことを可能とする標準やツール群の開発によってワールド・ワイド・ウェブの利便性を向上させるプロジェクト。セマンティック・ウェブの目的はウェブページの閲覧という行為に、データの交換の側面に加えて意味の疎通を付け加えることにある。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

つまり、データの集合体を生成し参照とすることで、ネット上に存在するあらゆるデータを意味付けし、ロボットに理解させるもの。

大がかりな作業であり、データの更新は日々行われている現状。膨大なデータのの集合体は、2019年10月11日の現在ですら未完成でありながらも、人間が把握できるデータ量を遥かに超えている。

このセマンティック・ウェブという概念に置いて需要なものが下記の2点
・ボキャブラリー
・シンタックス
この2つを用い、データを構造化する事でセマンティック・ウェブを実現するという繋がりがある。

このセマンティック・ウェブという概念。
果たしてSEOにとってどのような影響力があるのか。
と言われれば、実際のところは検索順位に対して影響力はないものとなっている。

個人的にはセマンティック・ウェブによって、検索エンジンにデータを正確に認識させることで、より確実にウェブサイト運営者と検索エンジンの乖離を無くすことが可能と考えている。
ウェブサイト運営者の意図したコンテンツを、より確実に伝え最適な判断のもとで評価されれば、検索順位に間接的に影響するであろうと考えている。

現に、chromeではリッチスニペットと呼ばれるものが実装されている。
こちらについては、別記事で解説するが、明らかに検索結果をイレギュラーな表示にしている。

構造化データの仕組み

構造化データはボキャブラリーと呼ばれる、データの集合体を参照にしている。
データの集合体を参照させるためにシンタックスと呼ばれる記述方法を用いる。

ボキャブラリー

ボキャブラリー=語彙
つまるところボキャブラリーの参照元は、辞書のようなデータの集合体のことを指す。
膨大なデータから参照にして 検索エンジン に情報を理解させることができる。

シンタックス

ボキャブラリーを参照させるための記述方法。
単にデータを羅列しただけでは 検索エンジン はボキャブラリーを参照にすることはない為、専用の記述方法が必要となってくる。

そこでいくつかの記述方法が確立されている。
・JSON-LD
・Microdata
・RDFa
上記3つのシンタックスが有名どころ。他にもいくつかのシンタックスがあるが、サポート外のブラウザや記述方法にクセが強く万人受けしないなどの理由であまり大きく取り上げられることはない。

それぞれに特徴があり、メリット・デメリットがある。
ここでは深くは触れないが、Googleが推奨するものとしては
JSON-LD であり、筆者もこちらを優先的に選ぶことが多い。

構造化とは

シンタックスで記述>ボキャブラリーを参照>データを理解
この流れで検索エンジンに情報を理解させる仕組みの事。
構造化データはそのための記述。

難しく考える事はなく、情報の「説明文」程度の認識で問題ない。

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